口腔ケア
おいしい食事をするための口腔ケア
心、からだ、お口の中もさわやかに
口腔ケアとは、単に口の中をキレイにする意味だけではなく、虫歯や歯周病などの口の中の病気の予防と病気や障害によって失われた口の中の機能を回復させることが主な目的です。それは心身ともに健康な状態に近づけることにもつながっていきます。
「口腔ケアを始める前のステップ」と「歯磨きをするときのポイント」
皆様ご存知のようにお口の中には、いくつかの働きがあります。
- 食べ物をたべる
- 話をする
- 呼吸をする 表情を作る(感情表現の道具として)
- 愛情交換の道具(キスなど)
これらの働きを発揮しやすくするために「口腔ケア」が重要となります。
その第1ステップ
まずお口の中の状態を見てみましょう。
虫歯や歯周病で揺れている歯がある場合は、その場所は特に痛くしないように注意することが大切です。また、指を噛まないに注意した上で、人差し指のはらでお口の中を触って本人が極端に嫌がる場合は、その場所の手入れは特に注意して行いましょう。何よりも「痛くない」・「気持ちがよい」ことを最優先しましょう。
その第2ステップ
うがいが自分でできるか?
水をお口の中に溜めておけるか?等について調べてみましょう。これが困難な場合は、安全のために「歯科医師」 に相談の上対処してください。
その第3ステップ
姿勢・座位・寝たままなど、その方にとって安全で安楽な姿勢を見つけることが大切です。
その第4ステップ
- 「歯磨き」を自力でできるか?
- 部分的に介助が必要か?
- 全面的に介助が必要か?
必要以上に介助することなく「歯磨き」=「手のリハビリ」と考えて対処することも本人の自立度の向上にとっては重要な事柄です。以上のようなことを調べた上で、具体的に「歯磨き」を開始します。
歯磨きをする際のポイント
とにかく人に口の中を見られる・触られることは身内であっても嫌なことです。 乱暴にそして強引にケアを進めてはいけません。
歯ブラシの選び方
- 磨いて痛くない硬さのブラシを選ぶ
- 歯ブラシのヘッドの部のコンパクトなものを選ぶ(前歯2本分程度)
麻痺等でうまく握れない人には、市販のラバーホルダーやゴムホースを利用して柄を太くして握りやすくしたり、割り箸等を利用して柄を長くしたり、柄に熱を加えて曲げて口の中に届きやすくなるように工夫します。
歯磨き剤の選び方
いろいろなタイプの物が市販されています。形状も、効力もさまざまです。好みで選ぶと良いでしょう。歯磨き剤は必ず使わなくてはならないものでは有りません。歯磨き剤を使用すると発泡作用によって口をすすぐ回数が増えるので、寝たきりの人には注意して使う必要があり、意識障害のある人には使わない方が良いでしょう。場合によっては、イソジンガーグルを数滴コップの水の中にたらし、その水を歯ブラシにつけて磨くことで肺炎などの予防をすることも有効です。
お口を開けることに拒否のある方の対応
不用意に指を入れて噛まれることを避けるため、できるだけ正面から指を歯と頬の間に入れて開けることを促します。
入れ歯のお手入れをする際のポイント
入れ歯のお手入れ
入れ歯をはずして流水で歯ブラシ等を使って汚れを洗い流します。落として破損したりなくしたりしないように水をはった洗面器を下に置いて洗うと良いでしょう。
はずした口の中は
入れ歯をはずした後に自分の歯がとびとびに残っているところは、歯の裏側や後ろ側に汚れが残りやすいので歯ブラシの毛先が届くように注意して磨いてください。
入れ歯の管理
はずした入れ歯は乾燥させないように清潔な水や洗浄剤の入った容器に入れて保管します。水は毎日取り替えるようにし、食べ物がついたまま保管しないようにしましょう。入れ歯は熱にも弱く、71℃以上になると変形してしまうので熱沸消毒は避けるようにしましょう。